長年に渡って、男性のための癒しのグループ、
メンズ・リトリートを行っている
マイケル・ミードさんという人がいます。
ミードさんのグループ以外にも、男性のための
癒しのグループワークを行っている所は
たくさんありますが、たいがいの場合、
参加者のほとんどは、年配の白人男性。
そんな中で、ミードさんのメンズグループは、
かなり異色です。
![smile3](http://selfhealing7.com/wp-content/uploads/2017/01/smile3-150x150.jpeg)
![community1](http://selfhealing7.com/wp-content/uploads/2017/01/community1-150x150.jpeg)
参加者の半分以上は若い黒人の男の子や
メキシコ人の男の子。
ミードさんは、黒人やラテン系の
低所得層の若者たちに、積極的に
メンズ・リトリートへの参加を呼びかけます。
![black kid](http://selfhealing7.com/wp-content/uploads/2017/01/black-kid-150x150.jpeg)
![black boy](http://selfhealing7.com/wp-content/uploads/2017/01/black-boy-150x150.jpeg)
白人のカルチャーと有色人種のカルチャーは、
隔たりが深く、特に黒人の男の子たちは、
真面目に学校に通ったり、一生懸命に勉強したりすると、
「お前は白人になろうとしているのか!」と
言われて、いじめにあったりします。
![twisted black](http://selfhealing7.com/wp-content/uploads/2017/01/twisted-black-150x150.jpeg)
![gyangster](http://selfhealing7.com/wp-content/uploads/2017/01/gyangster-150x150.jpeg)
おのずと、学校はドロップアウト、
ろくに仕事にもつけない環境から、
ドラッグの売買を始めたり、
ギャングのメンバーになったり…。
大人になる頃には、何かの事件に巻き込まれて
刑務所に入るか、命を失うか…。
そんなことが日常茶飯事に起こっていて、
癒しどころではありません。
地域によっては、黒人男性の平均寿命は
25歳と言われている場所もあります。
![young black safe](http://selfhealing7.com/wp-content/uploads/2017/01/young-black-safe-150x150.jpeg)
セラピーやカウンセリングも、まだまだ白人の文化であり、
癒しというものが、それ以外の文化の中にはなかなか広まって
いきません。経済的にも心理的にも、分厚い壁があります。
もしかしたら、ミードさんのメンズグループは、
アメリカで唯一白人に偏っていない
メンズグループかも知れません。
![Men's retreat](http://selfhealing7.com/wp-content/uploads/2017/01/Mens-retreat-150x150.jpeg)
ほとんどストリートで育った子供たちは、
キレイな街で普通に教育を受けて、
普通にカウンセラーになった人たちには、
どれだけの学歴や癒しの体験や知識があっても、
最初から会いに行く気も起こらない。
共通点がなさすぎて…。
![black lives matter](http://selfhealing7.com/wp-content/uploads/2017/01/black-lives-matter-150x150.jpeg)
![blm1](http://selfhealing7.com/wp-content/uploads/2017/01/blm1-150x150.jpeg)
ミードさんは、アイリッシュ系の白人ですが、
ニューヨークのスラム街で育ち、
若い頃は、彼自身もギャングのメンバーでした。
だから、「癒し?そんなもの必要ない」と、
ナイフのように尖った子供たちと、
”同じ言語”で話すことができる。
ミードさんは、いつもアフリカのドラムを
叩きながら、リズムと一緒に古くから伝わる
民話を語ります。
民話には、たくさんのシンボル、英知、真実が
隠されています。
![drum](http://selfhealing7.com/wp-content/uploads/2017/01/drum-150x150.jpeg)
![drumming1](http://selfhealing7.com/wp-content/uploads/2017/01/drumming1-150x150.jpeg)
私も、メンズグループには入れてもらえませんが(笑)、
ミードさんの講演会などは、できるだけ足を運びます。
ミードさんは言います。
「子どもたちの心がこわれていくのは、
その子の持っているギフトが、
表現されていないから」
ミードさんは、ギャングメンバーや
ストリートで暮らす親のいない子どもたちに
癒しを伝え、愛と勇気を与え続けてくれている 、
数少ない大人のひとりです。
![meade1](http://selfhealing7.com/wp-content/uploads/2017/01/meade1-150x150.jpeg)
ドラムでストーリーを語りながら、
怒り、絶望、
悲しみ、暴力の中で生きている
子どもたちの内側に
うずまいている言葉や気持ちを
ひきだし、
癒しへと導いていきます。
そして、その表現を詩でつづっていくことを、
一緒にします。
それが深い癒しへと、
つながっていきます。
![gift](http://selfhealing7.com/wp-content/uploads/2017/01/gift-150x150.jpeg)
![poem](http://selfhealing7.com/wp-content/uploads/2017/01/poem-150x150.jpeg)
最初は、ものすごく抵抗感が出てくるそうです。
「はぁ〜?俺が詩を書く?」
「んな女々しいことできるかぁーっ!!」
みたいな感じだそうです…(泣)。
でも、ポツリ、ポツリと、言葉が、気持ちが、
聞いて欲しかったこと、わかって欲しかったこと、
それは、苦しみや悲しみだけではなく、
誰かを大切に思う気持ち、
誰かに伝えたくて伝えられなかった言葉、
やさしさ、あたたかさが、
出てこれるようになります。
![black](http://selfhealing7.com/wp-content/uploads/2017/01/black-150x150.jpeg)
![writing](http://selfhealing7.com/wp-content/uploads/2017/01/writing-150x150.jpeg)
“常にタフで強くなくちゃいけない”
“そうしなければ、生きていかれない”
うんと小さい頃から、イヤというほど、
それを叩き込まれてきた子供たち…。
強そうな体の奥に隠れていた柔らかい心が、
少しずつ、出てこれるようになります。
![community](http://selfhealing7.com/wp-content/uploads/2017/01/community-150x150.jpeg)
そうして出来上がった詩を、近所の人々を
集めて聞いてもらいます。
その時は、警察の人とかにも来てもらいます。
ミードさんは言います。
「子どもたちはすべて、どこから来ても、
どこに行っても、あたたかくコミュニティに
迎え入れられなければならない。
それを用意するのが大人の仕事です。」
![community3](http://selfhealing7.com/wp-content/uploads/2017/01/community3-150x150.jpeg)
ある時、2年間の刑務所を終えて
出てきた若者がいました。
ミードさんは、彼に聞きました。
「君が刑を終えてでてきたとき、
みんなはちゃんと出迎えてくれたかい?」
男の子は言いました。
「誰も口なんか聞いてくれやしないよ」
![blm](http://selfhealing7.com/wp-content/uploads/2017/01/blm-150x150.jpeg)
その子は、親のいない子どもでした。
そのとき、80人の人々がその場に集まっていました。
その若者の言葉を聞いて、80人の人々全員が立ち上がり、
その若者の周りに集まってきて、あらためて彼を出迎えました。
後で、その中から70代の老夫婦が、
「これから、私たちがあなたの親代わりになりたいわ」
と
名乗り出たそうです。
![black kids](http://selfhealing7.com/wp-content/uploads/2017/01/black-kids-150x150.jpeg)
ミードさんは子どもたちに、
「How are you?」と挨拶するかわりに、
「I see you」、「私は君を見ているよ」
と言います。
「私には、君の輝く魂が見える」と、
まっすぐに子どもの目を見つめて言います。
こんな大人がひとりでも周りにいてくれたら、
子供達の世界は大きく変わります。
大人が大嫌いだった、15歳くらいの頃の
自分を思い出しました。
あの頃に、
「本当のキミを見ているよ」と、
まっすぐに目を見ていってくれる大人がいたら、
15歳の私は、どんな風に感じたかな…。
そんなことを思いながら、
今は、自分がそういう大人になれるように…。
そして、癒しをすべての人の日常に…。
子どもが、あたたかく迎えられる世界に、…。それは、大人の仕事なんですね。
うれしいです。ありがとうございます!
そういう世界、創造していきましょー♪♪♪