目次
惑星のためのグローバルムーブメント
この記事を書き始めたのは、
2019年9月20日の午前10時頃。
環境問題に対するグローバルな
デモンストレーションが、
サンフランシスコでも始まった時間です。
今、世界中で起こっている、
この大きなムーブメントの始まりは、
当時15歳だったひとりの少女から。
最年少の環境アクティビストが
世界を動かす
グレタ・トゥーンベリィさんは、
スウェーデン出身の環境アクティビスト。
今年で16歳。
彼女は7歳か8歳くらいの時に、本を読んだり、
ドキュメンタリー映画を観たりするうちに、
だんだんと環境問題の深刻さを感じるようになり、
どうにかしなくては…という思いに駆られるようになったそうです。
だけど、誰と話しても、周りの大人はみんな、
「そうだね、それはとても大切なことだね」
とは言うけれど、誰も何もしない…。
何の行動も起こさない…。
グレタさんにとっては、
これがとてもわからなかった。
なぜ、言うこととやることが違うのだろう?
まったく理解できない。
グレタさんは、アスペルガー、
自閉症スペクトラムという診断をされていて、
ツイッターで自ら公表しているし、
色んなインタビューでも、
そのことを話しています。
そして言うのです。
アスペルガーや自閉症スペクトラムという
“ユニークな特徴”が、私の活動に
とても役に立っている。
ニューロダイバーシティ
最近では、アスペルガーやADD、自閉症など、
“発達障害”と呼ばれる症状に対して、
“ニューロダイバーシティー”という言葉も
出てくるようになりました。
ニューロダイバーシティは、
“ニューロティピカル”という、
“普通の人”とは違う動きをする
神経の働きがあるだけであって病理ではない。
普通のことが上手にできない分、
他に秀でている才能がある。
…という視点から出てきた言葉です。
グレタさんは言います。
8歳ごろ、環境問題を知るようになってから、
そのことが頭から離れなくなってしまった。
アスペルガーは、一旦興味を持つと、
そのことにものすごく集中する力がある。
アスペルガーでなければ、
こんなに長い間環境問題について
考えることはできなかった。
”普通の人”と同じだったら、
みんなと同じようにすぐに忘れて、
何もしなかったと思う。
アスペルガーや自閉症スペクトラム
じゃなかったら、国会議事堂に
一人で座りに行くなんて考えは
浮かばなかった…。
そんな彼女の話を聞いたり、
読んだりしているうちに、
私は、アスペルガーや自閉症スペクトラムなど、
ニューロダイバーシティーな人は、意識の進化型、
あるいは未来型で、ニューロティピカルは古い意識型なのでは…
…と思うようになりました。
以下はその仮説を勝手に立てながら書いています。
”発達障害”は未来進化型の意識
さっきの話に戻ると、
グレタさんは、「環境問題はとても大切」と
口では言いながら、
何もしない人々を見て、とても混乱した…
と言います。
*****
未来進化型意識はとてもストレート。
言ってることとやっていることが
一致しないと混乱する。
古意識型は、裏と表あり、
本音と建前があるのは当たり前、
ハラグロあり(笑)、怖れが先に出て、
思っていても行動できないこと多々あり。
周囲の目が気になりすぎて、
思ってもいないことを
言ってしまうことも多々あり。
*****
グレタさんは、惑星が抱える問題を
考えるほどに、どんどん生きる希望を
失っていきます。
11歳の頃には、
ごはんも食べれなくなり、
痩せ細り、誰とも話さなくなり、
深い鬱の中に落ちていきます。
でも、そんなある日、
「じゃぁ、自分が何かすればいいんだ!」…と
シンプルに思いつき、自分にできることを
やり始めます。
*****
未来型はスイッチが入ると、
ものすごい集中力と行動力を
継続して発揮し続ける。
でもぉ…こんなことしても無駄かもぉ…。
変な人と思われるかもぉ…怒られるかもぉ…。
嫌われるかもぉ…がっかりされるかもぉ…。
…というような古意識型の頭に現れる雑音は、
非常に微量。
*****
グレタさんは、動物性のものを食べなくなり、
使わなくなり、
飛行機は乗らないことに決め、
新しいものは買わないようになりました。
*****
未来型は常識に縛られない。
自分のルールを自分で決められる。
古意識型は、常識に沿って歩いていかないと
不安になる。
誰かが敷いてくれたレールを歩くのが安全。
自分のルールなんて決められない。
*****
そしてある日、グレタさんは
学校を休んでスウェーデンの国会議事堂の前で、
ひとりでプラカードを持って立つようになります。
*****
未来型はとても勇気がある。
でも、それは古意識型からの視点であって、
本人たちは勇気とさえも思っていない。
それが普通と思っている。
*****
国会議員の人たちは、毎日ひとりで
ストライキのプラカードを持って
立っている少女に目もくれず、
まるで存在しないかのように
建物の中に入っていきます。
*****
未来型は、自分の真実に
周囲がどう対応しようとあまり構わない。
古意識型の場合、こういう状況では
落ち込んだり、がっかりしたり、
無力感や羞恥心にさいなまされてくじけてしまう。
だいたい最初からやらない。
*****
そんなある日、グレタさんが
自分のやっていることをSNSに投稿すると、
ジャーナリストが取材にやってきました。
すると、初めてもう一人、
一緒に参加してくれる人が現れました。
自分以外にもう一人増えた時の
グレタさんの一言が印象的。
「ものすごい大きな動きが起こった…
と思ったわ!」
*****
未来進化型意識は
大きい小さいの規模に関係なく、
シンプルに起こったことに
目を向けることができる。
無駄にポジティブや
ネガティブにならない。
古意識型は、あ〜あ、これでやっと一人だけか…
前途多難だ…まだまだだ…とか、
いつい思ってしまう。
*****
だんだんと、また一人、そしてまた一人と、
参加する人が増えていき、
3週間続けて学校をストライキして
国会議事堂に立った後、
毎週金曜日は学校に行かずに、
ストライキをやり続けることにしました。
私たちはおかしな社会に住んでいる
グレタさんは言います。
私たちは、おかしな社会に住んでいる。
だって、子供たちが自分たちの惑星を守るために、
教育を放棄しなくちゃいけないんだから…。
大人たちは、子供たちに希望を…と
言うけれど、希望なんて欲しくないし、
人々にも希望なんて感じて欲しくない。
それよりも、パニックになってほしい。
だってそうしないと、
誰も何もしないから…。
彼女の言葉、やっていることが
だんだんと世界に伝わり、
その波がどんどん広がり、
多くのティーンたちを
揺り動かし始めます。
彼女に共感するティーンたちが行動を起こし、
今年の3月には最初の世界全国ネットの
グローバルストライキが起こりました。
歴史上最大のムーブメント
そして今回、グレタさんがアメリカに訪問
していることをきっかけにして、
今、これを書いている9月20日も、
世界各地で大きなデモンストレーションが
起こりました。
今の時点でNYのデモに参加したのは25万人!
アメリカ全土、ヨーロッパ、
日本を含めたアジアの国々、
パキスタン、アフリカの国々、
オーストラリア、アンタルティカ…
世界中のティーンたちと賛同する大人たちが、
大きな波を起こしています。
飛行機にはもう乗らない
飛行機を使わないと決めている
グレタさんですから、
今回の渡米は15日かけて、
排気ガス一切なしの、
太陽発電を使ったセールボートで、
先月NYに到着しました。
彼女のお母さんはオペラ歌手で、
彼女に影響されて、お母さんも飛行機に
乗らないことを決めたそうなのですが、
そのせいで今までのように
色んな場所に気軽に飛べなくなり、
仕事のやり方を変えなくては
ならなくなったそうです。
「そんなお母さんの状況をどう思いますか?」
…というインタビューに答えた彼女の言葉が
またまた最高に印象的。
“I don’t care.”
そんなこと、どうだっていいわ。
…でした(笑)。
何万人が見ているテレビ番組での発言です。
*****
未来意識型は正直にしかものを言えない。
オブラートに包むような言い方ができない。
自分の真実を表現することが当たり前。
*****
惑星のことを考えたら、
そんなことぐらい当たり前、
気にしている場合じゃないわ…
ということなのです。
さらにグレタさんは言います。
私の話を聞いて、
「とてもインスパイアされるわ!」
…と言いながら何もしないのなら、
話なんて聞いて欲しくない。
学校は大切なことを学ぶ場所だというけれど、
環境科学者が訴えている大切なことを
聞かない社会なんだから、
学校に行く意味なんてない。
科学者が訴えている検証された事柄を
“信じるかどうか…”と議論している
アメリカの政治家たちはおかしい。
NYはすべて大きくて、うるさくて、臭い(笑)。
いやもう最高です。やっぱり意識の進化型、
未来型としか、私には思えません。
今までの”普通”がおかしかった…
よく考えたら、本当に私たちは、
人にどう思われるかばかりに気をつかい、
本当の自分を忘れ、自分の感性、才能、
創造性を押しやって、子供たちにも
それを押し付ける教育を施し、
あまりにも感性が麻痺してしまって、
惑星や人の命よりも、
社会がくっつけている価値観以外、
実質的に何の意味もないお金に
振り回される社会が“普通”
…という環境をつくってきてしまったのですから、
よく考えれば考えるほど、今までの“普通”の方が
よっぽどおかしいわけです。
そして、それを肌で感じているのが子供たち。
もう、変な“普通の社会”に、
一番あきあきしているのが子供たちです。
そんな子供たちをインスパイアする
グレタさんに対して、
彼女を攻撃したり、悪評を叩く人たちも
たくさんいます。
ですが、ここがニューロダイバーシティーの
強いところです。
ビクともしない(笑)。
だって、空気読めない、”コミュ障”だもの。
チリやホコリよ、そんなの(笑)。
グレタさんは言います。
私を叩く人達は、
私の仕草がおかしいとか、
格好がおかしいとか、
服装が変だとか…
そういうことしか言いません。
それは、私の言っていることに対して、
何も言えないからです。
私の言っていることが、
当たり前の事実だから、
それに対して何も言えない
という証拠です。
あっぱれ…。
やっぱり、未来進化型としか
言いようがありません。
アスペルガーや自閉症スペクトラムなどを持つ
ニューロダイバーシティーたちが
スーパーパワーを発揮する時、
世界が新しい未来に向かって大きく動く。
それを堂々と生きて見せてくれるグレタさん。
これからさらに、おかしい”普通の社会”を、
大きく揺り動かしてくれると思います。
“発達障害”は普通の社会の枠に
合わせようとするから、
”障害”になるわけで、
そこからのびのびと外れたら、
ものすごいスーパーパワーを発揮する、
未来進化型の意識。
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