久しぶりのくやしナミダ…

今月、すごく楽しみにしていた、
グスタボ・デュダメルのコンサートが
キャンセルに…。

デュダメルは、LAフィルの総指揮者で、
ベネズエラのエス・システマ出身。

ベネズエラは、政治的にも経済的にも
常に不安定な国。

地域によっては、夕方6時以降は、
銃の流れ弾に当たるかもしれないから、
外に出ないほうがいい…

そんな環境にいる子供たちがたくさん。

そういう地域で育つ子供たちの将来は、
ほとんどが売春婦か薬の売人…。

しまいには、刑務所に入るか、命を落とす…。
よくて、スーパーの袋詰め係…。

 

そんな中で、自身も指揮者で音楽家の
アブドゥルさんが生み出した、エル・システマ。

デュダメルと、エル・システマ創始者のアブドゥル氏

 

エル・システマは、ベネズエラの子供たちが、
誰でも無料で音楽を学ぶことができるシステム。

ただ単に、音楽や楽器を学ぶだけでなく、
オーケストラの一員として、
共に演奏していくことによって、

自分が大切なオーケストラの一員であること、
仲間も大切な一員であること、

誰が欠けても、同じではないこと、
自分のため、仲間のために最高の力を発揮すること、

そして、その表現としての演奏が、
コミュニティーに祝福され、
観ている人々にも感動を与え、

そこに存在する人々が、
誇りを、自分の存在価値を取り戻していく…

そんな素晴らしいシステム…。

 

そのエル・システマ出身のデュダメルは、
100年に一度、出るか出ないかの天才と呼ばれ、

LAフィルの総指揮者として、
大活躍しているものの、

彼がインタビューで話すのは、
いつもベネズエラの子供たちのこと、
エス・システマのこと。

 

エル・システマから誕生した、
ユースオーケストラの子供たちの演奏を
指揮する時のデュダメルは、

それは、それは、いつもよりも
より情熱的で、喜びに満ちあふれていて、

今、こうして書いていて、思い出すだけでも、
細胞がプルプルと感動で震えてくるほど…。

 

なのに…
その公演が突然、キャンセルに…。

 

2013年に、当時、大統領だった
ユーゴ・チャベスが亡くなってから、
ベネズエラの情勢は急激に悪化。

貧困の度合いは増し、
反政府運動は過激になり、

今年の5月、政府に反するデモに参加していた、
エル・システマのオーケストラの一員、

18歳でヴィオラを演奏していたアルマンドくんが、
政府軍に射殺されるという惨事が起こる。

アルマンドくんの追悼コンサート

 

チャベスが大統領になってからは、
政府からも援助を受けてきたエル・システマ。

デュダメルもこれまでは、ベネズエラの
政府に関しては、ニュートラルな姿勢をとり、
沈黙をしていたけれど、

5月の事件からは、
“Enough is enough.”

…と、ついにベネズエラ政府への抗議の声明を
表明し始めた…。

その途端、政府の命令によって、ユースオーケストラの
渡米は禁止。コンサートはキャンセル。



ベネズエラのオーケストラの子供たちが
楽器を弾くのは、

一流のミュージシャンになりたい…とか、
そういうことを言う以前に、

生活のすべて、命、生きる意味、
自分の存在意義がかかっている。

政府軍の前でバイオリンを弾く、アルマンドくんの友人

 

そんな子供たちにとって、アメリカで
公演をするなんてことは、多分、
夢のまた夢が実現するような出来ごと。

毎日、毎日、その日を夢見て、
練習を重ね、渡米を心待ちにしていたはず。

そんな子供たちの夢を、政治的な理由で、
いとも簡単に奪ってしまえると思っている
バカな大人たちがいると思うと
(しかも、国を牛耳っている大人たち)、

あー、悔しくて、ギリギリと
歯ぎしりをしている今日この頃…

 

悔しいから、せめて今回、その子供たちが
演奏するはずだった、大好きなDanson No.2をここに。

みんなみてー!!

 

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