4年くらい前まで、サンフランシスコの隣街、
オークランドに住んでいました。
オークランドは、ブラックカルチャーが
メインの街です。
![hiphop art](http://selfhealing7.com/wp-content/uploads/2017/01/hiphop-art-150x150.jpeg)
![hiphop3](http://selfhealing7.com/wp-content/uploads/2017/01/hiphop3-150x150.jpeg)
だから、アートと言えばヒップホップアート。
ヒップホップアートと言えば、
音楽だったらラップやD.J.。
ビジュアル系だったらグラフィティーや
ミューラルアートと呼ばれる壁画。
ダンスだったらヒップホップやブレイクダンス。
ほとんどがストリートから生まれたもの。
![hip hop art1](http://selfhealing7.com/wp-content/uploads/2017/01/hip-hop-art1-150x150.jpeg)
![dance](http://selfhealing7.com/wp-content/uploads/2017/01/dance-150x150.jpeg)
アメリカには、とてつもなく大きな傷が
二つあって、
ひとつは、アメリカという土地に
もともと住んでいたネイティブアメリカンたちの
ほとんどすべてを奪い去ってしまったこと。
もうひとつは、気の遠くなるほど遠い
アフリカ大陸から人々を奪い、連れ去り、
アメリカまで連れてきて、奴隷という役割を
押し付けたこと。
![roots](http://selfhealing7.com/wp-content/uploads/2017/01/roots-115x150.jpeg)
![native american](http://selfhealing7.com/wp-content/uploads/2017/01/native-american-150x150.jpeg)
この二つの傷は、いつも大きく口を開けていて、
時々、猛威をふるって人々を脅かします。
去年の夏は、特にその傷が大きく口を開けて、
続けざまに、警察官に黒人男性が射殺される
という事件が起こり、
そのすぐ後、報復としてスナイパーで黒人男性が、
警察官を5人射殺するという事件が起こりました。
![is his life?](http://selfhealing7.com/wp-content/uploads/2017/01/is-his-life-150x150.jpeg)
奴隷制度が禁止されてから150年経った今も、
暴力と支配から始まっている闇のループは
とどまることを知らず、
その傷は大きく口を開けたまま、
さらなる暴力を呼び、複雑に絡み合い、
決して癒やされることのない怪獣のように、
様々な事件を起こし続けています。
![beauty](http://selfhealing7.com/wp-content/uploads/2017/01/beauty-150x150.jpeg)
オークランドも、そんな事件が
頻繁に起こる場所のひとつです。
でも、オークランドには、貧困も暴力も犯罪も
あり余るほど存在するけれど、
一生懸命に自分たちの住んでいる街を
良くしていこうと活動を続ける勇気ある人たちが
たくさん住んでいます。
![not guns](http://selfhealing7.com/wp-content/uploads/2017/01/not-guns-150x150.jpeg)
オークランドに住んでいる間、そういう人たちに
たくさん出会いました。
その中のひとつに、ウエストオークランドの
アティテューディナル・ヒーリング・センター(AHC)
という、スピリチュアルな教えをもとにした
ヒーリングセンターがあります。
AHCは世界中にブランチがあって
(日本にもあります)、
アメリカ国内だけでも何十箇所にわたって
センターがあるのですが、
オークランドのAHCは、当時、私が住んでいた頃の
所長さんが、アフリカのガーナ出身のココモンという
笑顔のやさしいおじさんでした。
![kokomon](http://selfhealing7.com/wp-content/uploads/2017/01/kokomon-150x150.jpeg)
私の家と目と鼻の先だったので、
一年間役員をやりながら、イベントを手伝ったり、
参加したりしました。
アティテューディナル・ヒーリングには、
12の原則というのがあります。
原則の1番目は、
“私たちの存在のエッセンスは愛以外の何ものでもない”
というものなのですが、
オークランドのAHCでは、それを言葉で伝える以外に、
たとえばアフリカのドラムを使うのです。
![1drum](http://selfhealing7.com/wp-content/uploads/2017/01/1drum-150x150.jpeg)
![drum-ahc1](http://selfhealing7.com/wp-content/uploads/2017/01/drum-ahc1-150x150.jpeg)
毎週金曜日に1時間、みんなで輪になって、
マインドフルにドラムを叩く。
ココモンがリズムをリードして、
みんながそれに続いていく。
でもそのうちに、まるでみんなの鼓動が
共鳴していくように、リズムがピッタリと
一致していきます。
*
そんな時は必ず、なんとも言えない一体感、
深く静かな感動を体験します。
自然とみんながお互いのエッセンスを
感じあっているような体験です。
“愛以外の何ものでもない”
というのが言葉を超えたところで、
細胞の隅々で感じらるのです。
![drum-ahc](http://selfhealing7.com/wp-content/uploads/2017/01/drum-ahc-150x150.jpeg)
そのほかに、“ArtEsteem”という、
アートを通して自分を癒そう、
自分をエンパワメントしよう、
というプロジェクトがあって、
ウエストオークランドの子供たちが、
“自分の中のヒーロー”というテーマに沿って、
自分のポートレイトを大きなキャンバスに
描くのです。
![art7](http://selfhealing7.com/wp-content/uploads/2017/01/art7-150x150.jpeg)
![art2](http://selfhealing7.com/wp-content/uploads/2017/01/art2-150x150.jpeg)
ウエストオークランドは、
オークランドの中でも貧困に苦しむ
家庭が多い地域です。
その分、犯罪も多く、親が行方不明
だったり、刑務所に入っていたり、
麻薬常習犯だったり、生活のために
売春をしていたり…
そういう厳しい状況が、決して珍しくありません。
![art4](http://selfhealing7.com/wp-content/uploads/2017/01/art4-150x150.jpeg)
そういう日常の中で過ごす子どもたちは、
なかなか自尊心(Self-Esteem)を
育むことが難しいのです。
でも、ArtEsteemのプログラムを通して、
自分と向き合いながら、大きなキャンバスに
向かうことによって、自分の中にヒーローを
見つけ出していく。
![art3](http://selfhealing7.com/wp-content/uploads/2017/01/art3-150x150.jpeg)
自分をさらけ出すまで、なかなか
ヒーローは出てきてくれない。
痛みや恐れ、隠していた自分を吐き出しながら、
その奥にいたヒーローがやっと顔を出す。
それを仲間の友達と共有することによって、
お互いを深くわかりあう。
![art55](http://selfhealing7.com/wp-content/uploads/2017/01/art55-150x150.jpeg)
![artesteem5](http://selfhealing7.com/wp-content/uploads/2017/01/artesteem5-150x150.jpeg)
そして、誰もがヒーローなんだという、
強く、やさしい心が少しずつ育くまれていく…。
アートを通した癒しは、
とても力強いものがあります。
子供たちの描いたヒーロたちに、
私もどれだけ癒され、エンパワーされたか
わかりません。
![AHC2](http://selfhealing7.com/wp-content/uploads/2017/01/AHC2-150x150.jpeg)
オークランドから生まれ続ける
癒しのアート。
こういう存在がいてくれるから、
希望はちゃんと続いていく。
![AHC1](http://selfhealing7.com/wp-content/uploads/2017/01/AHC1-150x150.jpeg)
大きな口をパックリ開けた怪獣も、
きっといつか口を閉じていく。
エンパワーされながら、
今日も癒しを文化に!
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